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2021年12月

2021年12月 5日 (日)

よいこの観測日記211204

冬型で吉野は雲が多いので、仕事も休みだし熊野市まで出かけることに。
いつもの観測値は東に山があるので、
ちょっと気になっていた別の場所を偵察。
未舗装だけれども視界が結構開けている。
東は水平線が見えるかと期待していたが、木立があって、水平線までは見えない。
とりあえず、写真を撮っておいて、後で木立の仰角を測ろう。

今日の観測はやっぱり下が舗装されているほうが楽なので、
いつのも観測値へ移動。
27時過ぎ現着。快晴。
オリオン座が堂々と輝いている。
ただ、熊野市にしてはちょっと寒い?

とりあえず9×35双眼を出して、レナード彗星を探す。
3日前に見ているし、「だいたいこの辺」で双眼鏡を向けたらすんなり見つかる。
かなり大きくなっている印象。
尾も少し見えるようだ。
あと1週間成長するはずだし、期待が高まる。

赤道儀を組んで、カメラを載せようか望遠鏡を載せようか、で、
まだ時間あるし、ちょっと流星の動画撮影のテストをしておこう、と思い立ち、
カメラ三脚を出して、カメラをオリオン座に向けて固定で動画撮影。
SDカードの空きがある分で撮っておこう。

望遠鏡を載っけて彗星を探す。
当たり前だが、7×50ファインダーで軽く見つかる。
主鏡で覗くとデカい彗星像が飛び込んでくる。
おぉ。立派になってる。
しっぽもだいぶ伸びている。
頭部が扁平と言われればそんな風にも見える。
やっぱり核が崩壊しているのだろうか??
まぁ、そう言われたからそんな風に見える気がしているのかもしれないけど。
気のせいなのか本当にそう見えているのか、はっきりとは断言できない。
中央集光はDC=5と評価。
しっぽも向って左端にイオンテイルがあって、
向かって右側にダストテイルが広がっているように見える。
まさに教科書的な姿。

時間もあることだし、スケッチをとることに。
やはり視野内に輝星がないのだが、少し視野を振ると、明るい星がある。
基準になる星同士が遠くてちょっとプロットしづらいが、
尾の長さを描くときの基準なので、少し頑張ってプロットする。
彗星の位置を決めて、イオンテイルの向きと長さを決めて、
コマのサイズを決めたところで、ちょっとスケッチが小さいなぁと反省。
せっかく彗星像が大きくなってきているのに、
スケッチ帳に小さくしか書けない。
星のプロットを始めるときにもっと広く使うべきだった。
まぁ仕方ない。そのままダストテイルを書き込んで、
だいたい出来上がり。
やはり、コマが円形じゃなくて
太陽側が少し狭いのは気のせいじゃないと思う。

カメラの動画撮影を止めて、
望遠鏡とカメラを乗せ換え。
300mmでカメラを彗星に向けようとするが、
カメラのファインダーで彗星像がわからない。
あれ?この辺のはずなんだけどな?と、
少し広角側へ引いて試撮してみると、ちゃんと写っている。
センターへ寄せて、ズームを伸ばして、
やっぱりファインダーではよくわからない。
視察するとかなりしっかりした像で写る。
なんか釈然としないが、しっぽがだいぶ長く写りそうなので、
彗星の頭をセンターから外して構図を決定。
100コマ連写。

例によって露出中に9×35で光度目測。
だいぶ彗星がデカくなってきて、ピントのぼかし量が大きい。
この星より少し暗くて、この星と同じくらいかなぁ、と見定めて、
ステナビで等級を見ると、
彗星より明るいと見た星が6.2等で
彗星と同じくらいと見た星が5.9等。あれれ??
まぁ、星表の測光の波長特性と、肉眼の感じ方が違うのだろうけど、
これでは決められない、ということで、
少し広い範囲で比較星をとって、えいや!で判定、6.3等。

カメラの撮影も終わったので、ダークを撮って片づけ。
3.6℃。ここにしてはやはりちょっと寒い日だったようだ。

2021年12月 2日 (木)

よい子の観測日記211201



明け方の月の出が遅くなってきたので、
暗夜にレナード彗星(C/2021A1)が見られるかと大滝ダムの上へ出撃。
月明りを言い訳に観測をパスしていたが、
崩壊の兆候が出ているという情報も入ってきたので、
サボらずにちゃんと自分の目で見ておこうと。

27:05現着。
雲がところどころあるが、まぁ晴れている。
ただ、東の空は少し雲が多い。ひょっとして、山に雲が引っ掛かっているか?
雲が動くと信じて、急いで機材を組む。
月の出は27:55頃。

赤道儀を組んで、極軸を合わせて、
さて、カメラが先か望遠鏡が先かで、、ん???
カメラの雲台+アリ型を忘れてきてるよ・・・。
仕方ないので、ウエイト軸雲台にカメラを載せることに。
望遠鏡との平行を出す余裕はないよなーと空を見ると、
かなり雲が増えている。まずいかも。
急いで赤道儀のモーターやらカメラとPCの配線やらをしようとして、あれ?
手元ライトもないぞ。。。。スケッチのときかなり困るじゃん。
とりあえず撮影準備は完了、いざ彗星を探すぞ、
というところまできて、ほぼどん曇り。
あららー。

待つしかないか。しかしもう27:35。
月の出まであまり時間はない。

 

・・・
・・・・
・・・・・・・

 

晴れない。月の出の時刻が来たが、どん曇りのまま。
ダメじゃん。

あきらめて帰ろうかと、スケッチ帳とかマットとかから車へ戻し始める。
あれ?東の稜線がやけにくっきりしてね?
稜線の上が少し明るいってことは、雲じゃなくて月明りだよね?
双眼鏡を向けると、稜線際に星が見えている。あれれ?
西の空、南の空もところどころ星が見えてくる。
ひょっとして晴れる??
西から雲の切れ間が流れてきて北斗七星がちらちら見えだす。
もうちょっと東へその隙間が来てほしい。

9×35双眼でりょうけん座からかみのけ座へと探る。
雲が切れてくる。
かみのけ座αのやや左下にあるはず、、、だが見つからない。
「だいたいこの辺」では見つからないか・・・。
ステナビ入れたタブレットは、さっきシャットダウンして車の中に戻してしまったのだが、
もう一回出して起動すべきか・・・。
その前に7×50のファインダーでもう一回探そう。
と、割とあっさりそれっぽい像を発見。
主鏡で覗く。

立派。

しっかり見えるよ。
コマも大きくなったし、中央集光もしっかりしたし、
何よりしっぽがしっかり見える。
視野直径の4分の1か5分の1くらいありそう。
んー、まぁ、5分の1かな。それでも約0.4度だろう。立派。
月の出前ならもっと見えたんだろうなー。
スケッチ撮りたいけど、手元ライトなしじゃさすがにダメだろう。
せめて写真は撮っておこう。

カメラを彗星に向けるが、ファインダー越しでは、彗星像はよくわからない。
かみのけ座αから「こんなもんかな?」で向けて、
少しズームを引いて試撮。
フレーム内に彗星像があったので、位置を調整して、連写。
空を見渡してみるとかなり良く晴れていて、低空に少し雲が残るくらい。
月の姿が雲間に見えてくる。
もうちょっと早く晴れてくれたらよかったのになー。
ちゃんと(?)忘れ物したのになー。

撮影中に9×35でもう一度見る。
見える。位置がちゃんと分かっていれば十分見える。
心なしか尻尾もありそう。んー、思い込みかな?
光度目測で周囲の星と比べようとするが、意外と近くに近い明るさの星がない。
少し左に行ったところでちょうどよさそうな恒星を見つけ比較する。
6.0等よりは確実に暗い。6.8等よりはやや明るいか。
ということで6.6等。

撮影が終わったので、もう一回望遠鏡で見る。
うーん、崩壊がどうのこうのはわかんない。
急激に明るくなったかといわれるとそういう気もするし、
もともと地球と急激に接近する軌道だから
観測が2週間あいたらこのくらい明るくなるような気もするし。
でも思ったより立派かな。
とりあえずこれから12月12日まで、晴れたら毎晩でも出撃の覚悟で。

予定より遅くなったけど、28:50撤収。

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