よいこの観測日記211204
冬型で吉野は雲が多いので、仕事も休みだし熊野市まで出かけることに。
いつもの観測値は東に山があるので、
ちょっと気になっていた別の場所を偵察。
未舗装だけれども視界が結構開けている。
東は水平線が見えるかと期待していたが、木立があって、水平線までは見えない。
とりあえず、写真を撮っておいて、後で木立の仰角を測ろう。
今日の観測はやっぱり下が舗装されているほうが楽なので、
いつのも観測値へ移動。
27時過ぎ現着。快晴。
オリオン座が堂々と輝いている。
ただ、熊野市にしてはちょっと寒い?
とりあえず9×35双眼を出して、レナード彗星を探す。
3日前に見ているし、「だいたいこの辺」で双眼鏡を向けたらすんなり見つかる。
かなり大きくなっている印象。
尾も少し見えるようだ。
あと1週間成長するはずだし、期待が高まる。
赤道儀を組んで、カメラを載せようか望遠鏡を載せようか、で、
まだ時間あるし、ちょっと流星の動画撮影のテストをしておこう、と思い立ち、
カメラ三脚を出して、カメラをオリオン座に向けて固定で動画撮影。
SDカードの空きがある分で撮っておこう。
望遠鏡を載っけて彗星を探す。
当たり前だが、7×50ファインダーで軽く見つかる。
主鏡で覗くとデカい彗星像が飛び込んでくる。
おぉ。立派になってる。
しっぽもだいぶ伸びている。
頭部が扁平と言われればそんな風にも見える。
やっぱり核が崩壊しているのだろうか??
まぁ、そう言われたからそんな風に見える気がしているのかもしれないけど。
気のせいなのか本当にそう見えているのか、はっきりとは断言できない。
中央集光はDC=5と評価。
しっぽも向って左端にイオンテイルがあって、
向かって右側にダストテイルが広がっているように見える。
まさに教科書的な姿。
時間もあることだし、スケッチをとることに。
やはり視野内に輝星がないのだが、少し視野を振ると、明るい星がある。
基準になる星同士が遠くてちょっとプロットしづらいが、
尾の長さを描くときの基準なので、少し頑張ってプロットする。
彗星の位置を決めて、イオンテイルの向きと長さを決めて、
コマのサイズを決めたところで、ちょっとスケッチが小さいなぁと反省。
せっかく彗星像が大きくなってきているのに、
スケッチ帳に小さくしか書けない。
星のプロットを始めるときにもっと広く使うべきだった。
まぁ仕方ない。そのままダストテイルを書き込んで、
だいたい出来上がり。
やはり、コマが円形じゃなくて
太陽側が少し狭いのは気のせいじゃないと思う。
カメラの動画撮影を止めて、
望遠鏡とカメラを乗せ換え。
300mmでカメラを彗星に向けようとするが、
カメラのファインダーで彗星像がわからない。
あれ?この辺のはずなんだけどな?と、
少し広角側へ引いて試撮してみると、ちゃんと写っている。
センターへ寄せて、ズームを伸ばして、
やっぱりファインダーではよくわからない。
視察するとかなりしっかりした像で写る。
なんか釈然としないが、しっぽがだいぶ長く写りそうなので、
彗星の頭をセンターから外して構図を決定。
100コマ連写。
例によって露出中に9×35で光度目測。
だいぶ彗星がデカくなってきて、ピントのぼかし量が大きい。
この星より少し暗くて、この星と同じくらいかなぁ、と見定めて、
ステナビで等級を見ると、
彗星より明るいと見た星が6.2等で
彗星と同じくらいと見た星が5.9等。あれれ??
まぁ、星表の測光の波長特性と、肉眼の感じ方が違うのだろうけど、
これでは決められない、ということで、
少し広い範囲で比較星をとって、えいや!で判定、6.3等。
カメラの撮影も終わったので、ダークを撮って片づけ。
3.6℃。ここにしてはやはりちょっと寒い日だったようだ。